大阪高等裁判所 昭和44年(行コ)55号 判決
主文
本件控訴を棄却する。
原判決主文第一項を取消す。
附帯被控訴人(控訴人)が附帯控訴人(被控訴人)らに対してなした昭和三六年一二月一五日の各懲戒免職処分の無効確認を求める訴を却下する。
その余の本件附帯控訴を棄却する。
訴訟費用は、附帯控訴費用を除き第一、二審とも控訴人(附帯被控訴人)の負担とし、附帯控訴費用は被控訴人(附帯控訴人)らの負担とする。
事 実 <省略>
理由
一、被控訴人らの本件懲戒免職処分の無効確認を求める訴について。
被控訴人らは、第一次請求として、控訴人が昭和三六年一二月一五日になした本件懲戒免職処分の無効確認を求めている。しかしながら、右無効確認の訴は、昭和三七年一〇月一日施行された行政事件訴訟法(以下行政訴訟法という。)三条四項に定める処分の効力の有無の確認を求める訴訟であることは被控訴人らの主張に徴し明らかであるところ、同法三六条の規定によると、無効等確認の訴は、当該処分又は裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者その他当該処分又は裁決の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者で、当該処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴によつて目的を達することができないものに限り提起することができるのであるが、被控訴人らの本件懲戒免職処分無効確認の訴は、被控訴人ら主張の右処分の無効を前提又は理由とする現在の法律関係である国家公務員としての地位確認の訴により目的を達することができるのであるから、被控訴人らは、同法三六条により無効確認の訴を提起することができないものというべきである。仮に、被控訴人らの無効確認の訴の趣旨が被控訴人らの国家公務員としての地位確認を求める趣旨であると解せられるとしても、右訴は、行政訴訟法四条に定める当事者間の法律関係を確認する訴訟で、公法上の法律関係に関する訴訟であり、いわゆる当事者訴訟であると解すべきであるから、当該法律関係の帰属する権利主体のみが正当な当事者である。本件につきこれをみるに、被控訴人らの前記請求の趣旨が神戸税関の職員であることの確認を求める趣旨であるとするならば、右公法上の法律関係の帰属主体たる国を被告として訴えるべきであり、神戸税関長たる控訴人を被告として訴えることはできないものと解するを相当とする。そうすると、本件無効確認を求める訴は、いずれにしても不適法であるから却下を免れない。原審は、被控訴人らの本件無効確認の訴を地位確認訴訟であり、訴としては適法であるとし、請求につき審理し、その理由がないとしてその請求を棄却したが、右は前記説示に照し失当であるから、この点に関する原判決は取消を免れない。訴を却下する判決は、いわゆる既判力を生ぜず、訴訟要件を具備させると、再訴が許される意味において、請求を棄却した判決よりも有利であると解すべきである。従つて、被控訴人らの本件附帯控訴は、一部理由があるから、原判決中本件懲戒免職処分の無効確認の請求を棄却した部分を取消し、右訴を却下するが、その余の附帯控訴は、理由がないからこれを棄却することとする。
二、本件各懲戒免職処分取消の請求について。
当裁判所は、右各処分の取消を求める被控訴人らの請求を理由ありとして認容すべきものと認めるが、その理由は、次のとおり訂正附加するほか、原判決理由第二項ないし第七項の記載と同一であるから、これを引用する。
1 原判決三四丁裏末行に「原告田代」とあるのを、「原審及び当審における被控訴人田代」とあらためる。
2 同三七丁裏一〇行目に「原告田代」とあるのを、「原審及び当時における被控訴人田代」とあらためる。
3 同三八丁裏終りから二行目の「本人尋問の結果」の次に「及び当審における被控訴人田代の本人尋問の結果」を加える。
4 同四二丁表五行目の「同大屋広隆」の次に、「同栗山彦七郎」を加える。
5 同四二丁裏三行目の「甲第九号証の二の三、」の次に、「弁論の全趣旨により成立を認める」を加え、同四行目の「同号証の二の五、」の次に、「成立に争のない」を加え、同八行目の「各本人尋問の結果」の次に、「当審における被控訴人中田及び同田代の各本人尋問の結果」を加える。
6 同四五丁表一〇行目の「申請を受け」から同一二行目の「準備が遅れ」までを、「職員がカウンターに残件の書類を出し、業者が四時三〇分までにその中から臨時開庁により審査する分を選択して開庁を申請し、五時までには開庁承認の印を押し終り、五時から開庁するのであるが、この日は右の事情で書類を出すのが遅れ、」とあらため、同終りから二行目の「職員は」の次に「これに先立ち五時半頃から」を加える。
7 同四六丁表一〇行目の「九時三〇分頃」から同丁裏七行目の「行政処分ともなかつた」までを、「この指示は通常五〇程ある審査点を四点に減縮する大巾且つ画一的なものであり、他方神戸税関ではかつて梅干事件と称する事件(昭和三六年に梅干に関して農林省の検査合格証がないのに輸出許可をしたことで担当職員及び係長が収賄の嫌疑を受けた事件)があり、それ以来職員の間に審査を省略することを恐れる空気があつたので、職員は容易に右指示に従わず、組合執行部に対し税関長と交渉して重点審査が原因で事故が起つた場合の責任の所在を明らかにするよう要請した。そこで、被控訴人ら三名を含む執行委員は、同日午前一〇時頃税関長と交渉してその見解をただしたが、明確な答弁を得られなかつた。交渉は同一〇時を少し過ぎた頃終り、被控訴人中田及び同田代は、直ちに輸出為替課におもむいて結果を報告するとともに、職員に向つて、このまましていたら責任問題が起きる、課長に一札入れてもらつてから仕事をしようなどと言つた。」とあらためる。
8 同四七丁表終りから三行目の「言つた。」の次に「そのため職員の間にとまどいを生じ、仕事は依然停滞していた。さらに三、四〇分後には被控訴人中田が再び輸出為替課に姿をあらわし、重点審査の責任は係員にあると税関長が言明したといつて仕事を中止させるに至つたのであるが、金田課長補佐が総務課まで確認した上、右中田発言を打消し、責任は課長にあるといつたので、以後正常な状態にもどり、仕事はにわかにスピードアップされた。」を加える。
9 同四七丁表終りから二行目の「同じ一一月二日」から同丁裏九行目の「大声を出しており、」までを「同じ一一月二日午後五時頃鑑査第一部門においては、輸出為替課の確認事務が右述の経過でスピードアップされた影響を受け、同課から大量の書類が一時に回付されたため、通常の方法では処理し切れない事態となつた。そこで、宮崎鑑査部長は、局面打開の方法として、輸出為替課におけると同様重点審査をすることを指示するとともに、三〇分休憩して五時半から臨時開庁することとし、職員に対し超過勤務命令を出した。ところで、右重点審査の指示は、現物検査を最少限にとどめ、書類審査(その内輸出検査証の審査を不可欠とし、他は適当に省略する。)と統計品目番号(コードナンバー)の記入に重点をおくことを内容とするものであつたが、その趣旨が必ずしも明瞭でなかつたため、職員の間に疑義を生じ、このことは組合執行部に報告された。そこで、被控訴人神田、同中田らを含む組合執行部約一〇人は、鑑査部吉井鑑査官の席に集り、適当に省略するとはどういうことか、その内容を示せと要求し、」とあらためる。
10 同四八丁表終りから三行目に「原告」とあるのを、「当審ならびに原審における被控訴人」とあらためる。
11 同四九丁表五行目の「同横田忠良」の次に、「同宮崎健一郎」を加え、「原告」とあるのを「当審ならびに原審における被控訴人」とあらため、末行の「全員の」から同丁裏二行目の「主眼であつた。」までを「超過勤務の形を避けながらも、実質的にはそれと同じ効果を挙げることを目的とするものであつた。」とあらためる。
12 同五二丁表終りから三行目に「原告」とあるのを「当審ならびに原審における被控訴人」とあらためる。
13 同五二丁裏二行目の「昭和三四年」から五三丁表六行目の「該当する。」までを次のとおりあらためる。
(1) 前記認定の事実によれば、大塚に対する処分は、事件発生後一年一〇ケ月、監視部長の談話発表後一年二ケ月、大塚に対する最後の取調が行われた後一年一ケ月を経てなされており、処分の内容も右談話に現われたところと異つている。他方原審証人大塚宏圀、同服部正治、同横江威の各証言、当審における被控訴人田代本人尋問の結果によれば、大塚はこの件につき刑事処分を受けていないこと、組合は、この件につき独自の調査を遂げた結果大塚の潔白を確信していたこと、大塚は、組合の事件発生当時の組織部長、右処分当時の副支部長で、いずれもその頃当局と対立していたことが認められ、これらの事実を総合すれば組合員らが右処分は組合に対する弾圧ではないかと疑い、当局に対する抗議に熱を帯びたのは当然である。もつとも、右田代本人の尋問結果によれば、組合は、この件につき社会党の代議士を通じ当局と交渉したことが認められるから、組合幹部は、右処分が遅延し処分内容が変更せられないきさつを或いは知つていたかとも思われる。しかし、そのいきさつの内容は不明であるし、一般組合員がこれを知つていた形跡はないから、右遅延及び変更の事実を抗議の理由にすることは必ずしも条理に反しない。
(2) 右抗議に対する当局の態度は、前認定のとおりであり、組合員を納得させるものでなかつた(もつとも、だからといつて当局の態度を非難することはできない。なぜならば真正な公文書と推定される乙第五三号証、第五七号証によれば、当局は、根拠なくして大塚の行動に疑を抱いたわけでないことがうかがわれるが、右の根拠を公表することは適当でないからである。)。
以上の事情が認められるが、それにもかかわらず前認定の本件抗議活動の態様(官房主事らを取囲んだ上、侮辱的威圧的暴言をあびせ、同旨の貼り紙をし、退出を阻止した。)は、明らかに行き過ぎであり、殊にその際の被控訴人田代の言動(携帯マイクを使用し、官房主事の耳もとでバカヤロー、チンピラなどと叫んだ。)は乱暴きわまるもので、正当な組合活動の範囲を逸脱した行為であり、国公法八二条三号に該当すること明白である。
14 同五四丁表五行目に「国民生活に相当程度の支障をもたらすおそれがある場合」とあるのを、「国民生活全体の利益を害し、国民生活に重大な支障をもたらすおそれがある場合」とあらため、同一〇行目の「要しないものと解する。」の次に、「即ち、刑事罰をもつてのぞむほどの違法性を欠く場合でも違反者に対し当該行為に相当の懲戒処分をし、また民事上の責任を追求することのできる場合もあるものと解する。」を加え、同一一行目から一二行目に「ような違法性の弱い」とあるのを削る。
15 同五四丁裏一行目の「場合をいう)。」の次に、「被控訴人らは、国公法九八条五項の規定は、憲法二八条の規定に違反すると主張するが、国公法九八条五項により禁止される争議行為を前記のように制限的に解釈することができるのであり、右規定は、国家公務員の争議行為を一律全面的に禁止する趣旨でないと解すべきであるから、憲法二八条に違反するものではない。被控訴人らの右主張は採用できない。」を加え、二行目の「そこで、」から八行目の「強いといえる。」までを、「そこで、税務職員の争議行為の制限について考えてみるに、税関は、輸出入の通関業務、密輸出入の取締などを主たる職務とし、関税法の定めるとこにり関税の確定、納付、徴収及び還付ならびに貨物の輸出及び輸入についての税関手続を適正迅速に処理すべき職務権限を有するものであるから、その業務の正常な運営は、輸出入に関係する業者のみならず国民の経済生活や輸出入による我が国の経済の発展にも影響があり、ひいては国際信用の面からも是非必要である。関税法九八条は、「<1>日曜日、休日又はこれらの日以外の日の税関の勤務時間外において、税関の政令で定める臨時の執務を求めようとする者は、税関長の承認を受けなければならない。<2>税関長は、税関の事務の執行上支障がないと認めるときは、前項の承認をしなければならない。」と規定し、他の官庁においては殆んどその例をみないいわゆる臨時開庁の制度が設けられており、右規定の趣旨から考えると、税関長は、臨時開庁の請求があつた場合には、執務上支障のない限り右請求を承認し、臨時開庁をする義務があるものと解すべきである。右のような制度は、税関における輸出入の通関業務が他の一般行政庁におけるより以上にその業務の運営の適正迅速が要求され、これに対応するために設けられているものと解すべきである。密輸出入の取締等を主たる職務とする監視部の職員はもとより、輸出又は輸入の税関業務を主たる職務とする業務部(輸出業務課、輸入業務課)、輸出輸入に関する鑑査をする鑑査部(右業務を取扱う部課については、原審証人滝野輝雄の証言により認める。)その他の業務を担当する税関職員の職務の公共性は、かなり強いものであつて、以上の諸点を併せ考えると、税関の職務の停廃は、仮りに短時間であつても、国民生活全体の利益を害し、国民生活に重大な支障をもたらすおそれがあるものと解するを相当とする。」とあらため、その次に「被控訴人らは、税関の職務は、一般的にいつて公共性が稀薄であり、その業務の停廃は、国民生活に重大な支障を及ぼすものではない。このことは輸出は通常商社、通関業者、税関、沿岸荷役業者、船内荷役業者の五者を順次経由してなされるものであり、そのうち一部門に停廃があれば全体に遅れを来す点で五者は同等の重要性を有するのに、税関以外の部門の争議は公共性の立場から規制されることはないことからも明らかであると主張するが、税関の職務の公共性が強く、その職務の停廃は、長時間にわたらぬ場合においても国民生活全体の利益を害し、国民生活に重大な支障をもたらすおそれがあることは、既に説明したとおりであり、被控訴人らの主張するように五者を順次経由して輸出がなされるとしても、税関以外の者はすべて私企業であり、私企業の従業員たる労働者には一般的に労働争議が許されており、その業務も代替性のあるものであるから、輸出入業務その他の税関業務を専属的に取扱う権限を有する行政庁たる税関と比較することはできないことが明らかである。税関以外の輸出関係者の労働者が一般的に争議行為が許されていることを以て、被控訴人ら主張のような結論を導き出すことはできない。右主張は採用できない。」を加え、五四丁裏九行目の「一〇月五日の集会」の次に「及びこれに続く庁内行進」を加え、同一〇行目に「僅か五分」とあるのを「一三分」とあらため、同末行に「僅か五分」とあるのを「一三分」とあらためる。
16 同五五丁表一行目から二行目に、「国民生活に相当程度の支障を及ぼすおそれがある」とあるのを「国民生活の全体の利益を害し、国民生活に重大な支障をもたらすおそれがある」とあらため、同三行目の「右集会」の次に「及びこれに続く庁内行進」を加え、同三行目の「従つて」から四行目の「違法である。」までを削り、同末行の「しかし前述のとおり」から五五丁裏七行目の「いわなければならない。」までを削る。
17 同五六丁表四行目の「原告らが、」から一一行目の「該当する。」までを、「被控訴人らの一〇月五日及び二六日の行為は、国公法九八条五項前後段に違反し、同法八二条一号に該当する。なお、控訴人は、被控訴人らの行為は右のほか国公法九八条一項、一〇一条一項、人事院規則一四―一第三項前後段に違反し国公法八二条三号に該当すると主張する。しかし、これらの法条は争議行為としてなされた行為には適用がない。けだし、これらの法条に違反する行為は、もともと争議行為に通常随伴する行為であつて、これに対する規制は、かりにその争議行為が違法な場合でも、専ら国公法九八条五項によつてなされるものと解すべきだからである。従つて、右主張は採用できない。」とあらためる。
18 同五七丁表八行目の「違法である」の次に「なお前記のように税関における臨時開庁は、税関における輸出入等の税関事務を適正迅速に処理するために行われ、他の行政官庁において殆んど例をみない業務の公共性の強い執行方法であり、その実効を期するために超過勤務命令を出すことは必然的なものであり、予定されたものであると解すべきである。従つて、かかる公共性の強い制度及びこれに必然的に伴うべき超過勤務命令を尊重せず税関中でも輸出入等の重要な業務を担当する職員が集団的に怠業又は拒否行為による争議行為をするに当り、これを企画し、その実行を指導し、実行せしめることは違法であると解するのを相当とする。」を加える。
19 同五八丁表五行目の「原告中田の」から一一行目の「該当する。」までを、「被控訴人中田、同田代の一一月一日及び二日の輸出為替課における各行為及び被控訴人神田の一一月一日の輸出為替課における行為は、国公法九八条五項後段に、被控訴人神田、同中田の一一月二日の鑑査第一部門における行為は同法九八条五項前段に違反し、同法八二条一号に該当する。なお控訴人は、右のほか、(イ)被控訴人中田の一〇月三一日の行為は国公法九八条五項後段に違反し、(ロ)被控訴人中田、同田代の一一月一日の行為は人事院規則一四―一第三項後段に、被控訴人中田、同田代の一一月二日の輸出為替課における行為は、国公法一〇一条一項、人事院規則一四―一第三項前段に、被控訴人神田、同中田の一一月二日の鑑査第一部門における行為は、人事院規則一四―一第三項後段に違反し、国公法八二条三号に該当すると主張する。しかし、(イ)については、前認定ににかる被控訴人中田の一〇月三一日の行為は、いまだこれを以て怠業行為を企て又はその遂行を共謀しそそのかしあおつたものと認めるに足らず、(ロ)については、控訴人主張の法条を適用する余地のないこと一〇月五日及び二六日の件につきさきに述べたと同様である。従つて、右主張は採用できない。」とあらため、同末行「撤回願は」から同丁裏一行目「主眼であり」までを、「超過勤務命令の撤回願は、超過勤務拒否の形を避けながらも、実頂的にはそれと同じ効果を挙げることを目的とするものであり」とあらためる。
20 同五八丁裏目八行の「行為である。」の次に、「既に述べたように、税関における臨時開庁制度の必要性、重要性及びその制度に必然的に随伴する超過勤務命令の必要性を考えると、超過勤務命令を実質的に拒否することを目的とする行為の違法であることは明らかである。」を加える。
21 同五九丁表一行目の「原告らが」から六行目の「該当する。」までを「被控訴人の一二月二日の行為は、国公法九八条五項後段に違反し、同法八二条一号に該当する。なお、控訴人は、被控訴人らの行為は、右のほか国公法一〇一条一項、人事院規則一四―一第三項前後段に違反し、国公法八二条三号に該当すると主張する。しかし、これらの法条を適用する余地のないこと一〇月五日及び二六日の件につきさきに述べたと同様である。従つて、右主張は採用できない。」とあらためる。
22 同六〇丁表五行目の「しかし、」の次に、「さきに判断したとおり、組合員らが大塚の処分に対し疑惑を抱くにつきもつともな理由があつたにかかわらず」を加え、同六行目から七行目の「税関側の態度が」の次に、「組合員を納得させるものでなかつたことが」を加える。
23 同六〇丁裏終りから二行目の「かなり重いが」を、「一〇月五日及び二六日の行為よりやや重いが」とあらためる。
24 同六一丁表九行目から一〇行目に、「原告らの行為については、右に検討したとおりかなり違法性の強いものもあるが、その行為を考慮しても」とあるのを、「前記認定のとおり国公法九八条が国家公務員の争議行為を一律全面的に禁じているものでないこと、禁止される争議行為と許される争議行為との限界の判断はむずかしいこと、特に時間内に喰い込んだ職場集会の許されるか否かの限界の判断はむずかしいこと、その他前記認定の諸般の事情、行為の態様、被控訴人らの組合における地位及び本件行為の当時の社会情勢等を考慮するならば、」とあらため、その次に「また」とあるのを削る。
以上の理由により本件懲戒免職処分は取消すべきものであるから、右取消を求める被控訴人らの第二次請求は正当として認容すべく、これと同旨の原判決は相当であつて本件控訴は理由がない。よつてこれを棄却することとし、訴訟費用(附帯控訴費用を含む。)の負担につき、行政事件訴訟法七条、民訴法九六条、八九条、二九条但書、九三条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 岡野幸之助 入江教夫 高橋欣一)